マッサージに潜む5つの危険なリスク

・マッサージに行ってもその場限りで、すぐ元に戻ってしまう

・強く押してもらわないと、効いてる感じがしない


・肩こりや腰痛が慢性化して、年々悪化してきている

これらは、患者さんからよく相談される内容です。

同じようなことで悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

目次

マッサージに潜む5つの危険なリスク

リスク① 姿勢が悪くなる

なぜ姿勢が悪くなるのか? 

悪い姿勢をしている時、それ以上悪い姿勢にならないように支えている筋肉があります。

そのような筋肉まで緩めてしまうと、姿勢を維持する支えがなくなってしまい、姿勢がさらに悪くなってしまうのです。

例えば、ストレートネック猫背の姿勢の場合をみてみましょう。

前に出ている頭の重さや、肩と腕の重さを支えている、肩や首の筋肉(僧帽筋等)を緩めてしまうとどうなるでしょう。

重さを支えるために硬くなっていたのに、マッサージで緩ませてしまうと、重さに耐えられずに、さらに頭や肩が前に出てしまいます。

腰の場合も同様です。

上半身のバランスを取ろうとして、反り腰丸まった腰になっている時も、それ以上悪い姿勢にならないように筋肉が硬くなっているのです。

しかし、それを直接緩めてしまうことで、上半身のバランスが取れなくなり、腰の状態も悪化してしまいます。

放置するとどうなるのか?

見た目の姿勢は、当然悪くなります。

リスク②につながることも確実です。

また、不良姿勢のまま動くことで、新たな怪我につながります。

例えば、猫背のままゴルフやテニスをすると、肩の筋肉(棘上筋等)を断裂するリスクがあります。

その場合、手術が必要になってしまいます。

その他、首であれば頚椎ヘルニア、腰であれば腰椎ヘルニア腰部脊柱管狭窄症圧迫骨折等の怪我をしやすくなります。

リスク② こりや痛み等の症状が悪化する

肩こり頭痛改善

なぜ症状が悪化するのか?

リスク①で説明したように、姿勢を支えるためにかたまっている筋肉を緩めてしまうと、さらに姿勢が悪化してしまいます。

姿勢が悪化するということは、さらに支える力を強くしなければならないということです。

ストレートネックや猫背が悪化すれば、さらに前に出てしまった頭や肩の重さを、これまでよりも強い力で支える必要があります。

すると、当然ながら、筋肉は今まで以上に硬くなり、循環が悪くなって、肩こりや頭痛の症状を悪化させてしまうのです。

腰痛や膝などの関節痛も同様です。

さらに悪くなった上半身のバランスを支えるために、筋肉や関節に、より強い負荷がかかり、痛みが増してしまいます。

放置するとどうなるのか?

日常生活を送ることが辛くなってきて、集中力が下がったり、やる気が出なくなったり、精神面への影響も出やすくなります。

また、リスク③につながることも多いです。

リスク③ “タイヤ”のような筋肉になる

肩こり頭痛改善

なぜ、筋肉の質が悪くなるのか?

特に、強いマッサージを受けている方や、頻繁に通っている方マッサージガン等のマッサージ器を使い過ぎている方に多いリスクです。

良い筋肉は、触ればすぐ分かります。

とても柔らかく、しなやかで、弾力があります。

悪い筋肉も、触ればすぐ分かります。

硬く、柔軟性も弾力もありません。

筋肉に対して、強い刺激を高頻度で与えていると、一瞬は柔らかくなるのですが、同時に、筋肉の細かい線維が無数に断裂しています。

断裂した筋肉の線維は、元のように修復して再生しようとするのですが、断裂が多いと、元に戻れません。

元のような綺麗な状態ではなく、グチャグチャな状態(表現が悪いですが…)になってしまいます。

線維がグチャグチャだと、筋肉の伸び縮みが悪く、非常に硬くて弾力もなくなります。

放置するとどうなるのか?

触ってみると非常に硬くて丈夫そうなのですが、実際は、伸び縮みの柔軟性がないため、肉離れを起こしやすくなります。

正常な筋肉の作用をしないので、骨や関節への負担が大きくなり、骨折関節損傷もしやすくなってしまいます。

また、リスク④につながってしまいます。

リスク④ 感覚が無くなる

なぜ、感覚がなくなるのか?

筋肉の質が悪くなると、筋肉の中にある神経の働きも鈍くなります。

これまでも強い力でマッサージされていたのにも関わらず、さらに強い力で押されないと、気持ち良さを感じられなくなってしまうのです。

この程度まで筋肉の質が悪化していると、今まで感じていた肩こりや腰の痛みすらも感じなくなっていることが多いです。

より強い力で押し、さらに筋肉の線維を損傷し、その修復過程で、これまでよりも硬い筋肉になる、という悪循環を永遠に繰り返してしまいます。

放置するとどうなるのか?

治らなくなります。

治療ができたとしても、まずは正常な『こり』感や『痛み』感を取り戻すところから始まります。

結果として、普通よりも長い期間の治療が必要になってしまいます。

リスク⑤ 依存する

肩こり頭痛改善

なぜ、依存してしまうのか?

強く押されても気持ちよく感じるのは、脳内で麻薬に似た物質が出ているためです。

この快楽的な感覚には、中毒性がありますので、高頻度で強押しマッサージに通いたくなってしまいます。

「マッサージ無しでは生きていけない」と感じている方は、意外と多いかもしれません。

放置するとどうなるのか?

手に負えなくなります。

他人が何を言っても聞いてくれなくなるので、まずは、依存している現状をしっかりと理解して、自発的に自立的な行動を起こしてもらうしかありません。

強押しのマッサージは本当にヤバイ!!

このように、マッサージにもリスクがあり、特に強押しマッサージは超ハイリスクです。

私が治療家を目指して研修をしていた初期のころ、強押しのマッサージをしている治療院で働いていました。

その院に来ていた患者さんの体は、皆、“タイヤ”のような硬さの筋肉だったのです。

そして、週に何度も通院しているのに治らない…という状況でした。

緩めることで姿勢が悪化し、さらに強押しによって筋肉が破壊され、修復過程でさらに硬くなっていくだけなのですから、当たり前のことです。

これで強押しマッサージのリスクは、理解していただけたのではないでしょうか?

とは言っても、

「気持ち良いからやめられないんです…。」

という方もいると思います。

すぐにやめなくても良いので、次にご紹介することから試してみてください。

どうしてもマッサージを受けたい場合はこの3点に注意!

① なでる位にする

とにかく、優しい力で押してもらってください。

なでるだけでも血流は改善しますので、一過性ではありますが、こりや痛みは緩和されます。

マッサージガン等、自分で行う場合も極力弱い刺激にしてください。

② 頻度を減らす

今現在、週に一回以上通っているのであれば、二週間に一回、月に一回、と頻度を少なくしていってください。

③ セルフケアもする

①と②を実践しつつ、ストレッチやエクササイズを行うようにしてください。

ウォーキング等の軽い運動で構いません。

人や道具に頼り過ぎず、自分で体を動かして改善していく、という考えが持てると良いです。

猫背やストレートネックは、肩こりや頭痛を引き起こしてしまいます。

肩こり頭痛改善オンラインプログラムでは、適切なセルフケア種目を、正しい順番で習得することができます。

プログラムの詳細はこちら↓です。

肩こり頭痛改善

マッサージの一番のメリット

もちろん、マッサージには疲労回復やリラクセーション、血流改善等の良い効果も沢山ありますので、必要に応じて活用するべきだと思います。

私が思う、マッサージの一番のメリットは、“オキシトシン”という幸せホルモンが出ることだと思っています。

オキシトシンには、以下の効果があるとされています。

ストレスの緩和
幸福感を感じる
不安や恐怖心の緩和
免疫力のアップ

オキシトシンは、軽いスキンシップでも分泌されるので、強く押す必要はありません。

マッサージも、リスクを知ったうえで、有効的に活用できると良いですね。

まとめ

・マッサージには、場合によっては姿勢を悪くしたり、症状を悪化させる場合もある

・特に強押しは、タイヤのように硬い筋肉になり、感覚すらなくしてしまうリスクがある

・少しずつでも良いので、マッサージへの依存から抜け出し、セルフケアをする等、自立的な方法での解決を試みる

・必要に応じて、マッサージの利点を活用し、健康的な体を維持する

P.S.

前出の強押しマッサージをしていた治療院の院長は言っていました。

「みんな硬くなっちゃうんだよね。」

きっと、院長は分かっていたんだと思います。これでは治らないことを。

でも、大手のグループ院の内の一つなので、方針は変えられません。

私はすぐにその院をやめました。

研修時代の後期に働いていた治療院の院長は、強押しせず、ストレッチやエクササイズを指導して、患者さん自身で治せるようにするコンセプトでした。

私自身は2012年に開業しましたが、後者の治療院の院長のコンセプトを引き継いでいます。

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