【間違った思い込み】を改善してネガティブ感情を最小限にする方法

・悲しみや怒り、不安を感じやすい

・毎日ストレスを感じてばかりいて、落ち込むことも多い

このような状態で悩んでいる方も多いと思います。

この記事では、ネガティブな感情に振り回されないようになるための方法を紹介します。

目次

【間違った思い込み】がネガティブ感情を引き起こしている

友人を食事に誘ったが、断られてしまった場合に、

『誘いを断られちゃった…私はあまり好かれていないのかな…』
と思って落ち込んでしまう人

『今回は都合が合わなかっただけみたいだから、また次の機会を楽しみに待とう!!』
と、楽しみに思う気持ちを継続できる人がいます。

同じ出来事が起こっても、それに対してネガティブな感情が出てくる人と、全く気にせずにポジティブでいられる人がいます。

その違いが生まれるのは、人によって、出来事に対する考え方や受け取り方が違うためです。

つまり、ある出来事が起こったときに、その出来事をどのように解釈するかで、その後の感情や行動が変わるということです。

心理学では、この流れをABC理論として説明します。

ABCとは、

Activating event: 出来事

Belief: 信念・考え方・思い込み

Consequence: 結果として表れる感情・行動

の頭文字をとっていて、図で示すと以下のようになります。

ABC理論

ある出来事(A)が起こっても、それ自体が私たちの感情や行動(C)を生じさせるわけではなく、その人の信念や考え方(B)の結果として感情や行動(C)が生じる、という理論です。

出来事(A)は変えることはできないけれど、その出来事に対する考え方や思い込み(B)は変えることができます。

考え方(B)が変われば、たとえ同じ出来事(A)を経験しても、生じる感情(C)は変わるのです。

考え方(B)には、以下の2種類があります。

・ラショナルビリーフ(合理的信念)

・イラショナルビリーフ(不合理的信念)

ラショナルビリーフは、

柔軟性があり、現実的で対応力のある考え方です。

ここでは簡潔に、

【適切な考え方】と表現することにします。

イラショナルビリーフは、

柔軟性がなく、事実に基づいていない考え方です。

他にも

根拠のない考え方

論理的ではない考え方

断定的な考え方

と言われますが、ここでは簡潔に、

【間違った思い込み】と表現することにします。

ある出来事(A)に対して、考え方(B)が【適切な考え方】だと、感情(C)はネガティブになりにくく、喜びや楽しみ、感謝といったポジティブな感情が生まれることもあります。

たとえつらい出来事であったとしても、必要以上に落ち込むことはなく、適切な行動をとることで、早い段階で立ち直ることができます。

一方、ある出来事(A)に対して、考え方(B)が【間違った思い込み】だと、感情(C)は精神的に苦痛を感じ、ネガティブな感情になってしまうのです。

ネガティブな感情になってしまう【間違った思い込み】には以下のような種類があります。

① 白黒思考

② 一般化のし過ぎ

③ レッテル貼り

④ すべき思考

⑤ 過小評価と拡大解釈

⑥ 感情的決めつけ

⑦ 心のフィルター

⑧ マイナス思考

⑨ 個人化

⑩ 結論の飛躍
 ・心の読み過ぎ
 ・先読みの誤り

各々の詳しい解説はこちら↓の記事を参考にしてください。

これらの【間違った思い込み】を【適切な考え方】に変えることができれば、精神的な苦痛を感じることから回避することができます。

どうすれば変えることができるのか?

次項で解説していきます。

【間違った思い込み】を改善する3つのステップ

Step1 自分が【間違った思い込み】をしていることに気づく

まずは、自分の感情が出てきた流れを客観的に見なければなりません。

前記のABCの順番で、紙に書き出すか、スマホのメモ機能等を使って、文字にしてみましょう。

(例)
「仕事でミスをしてしまった。私はいつも失敗ばかりで本当に嫌になる。」

A(出来事)

仕事でミスをした。

B(考え方)

いつも失敗ばかりしている。

C(感情・行動)

自分に嫌気がさして落ち込んだ。

Step2 【間違った思い込み】に対して反論(Dispute)する

B(考え方)の「いつも失敗ばかりしている」という【間違った思い込み】に対して反論します。

ABCDE理論

反論するときのコツは、以下のような質問を自分に投げかけると良いです。

・証拠はあるか?

・別の考え方はできるか?

・その考え方にメリットはあるか?

・現実的か?

・論理的か?

・合理的か?

ステップ1の例で反論の仕方を考えてみましょう。

いつも失敗ばかりしている

↓

「いつも」と思ったけれど、本当にいつもかな?

「失敗ばかり」と思ったけれど、成功したことはないかな?

今回のミスは、自分だけのせいかな?

今回のミスは、こんなに落ち込むほどの大きなミスか?

この失敗は、成功の種にならないか?

このように、【間違った思い込み】に対しては、沢山の反論の仕方があります。

これまでの自分の考え方を上手に否定しましょう。

Step3 【適切な考え方】に変える

【間違った思い込み】に反論することで、効果的な新しい信念(Effective New Belief)=【適切な考え方】ができるようになります。

効果的な新しい信念の持ち方を、ステップ2までの例に続いて考えてみましょう。

A(出来事)

仕事でミスをした

B(考え方)

いつも失敗ばかりしている

C(感情)

自分に嫌気がさして落ち込んだ

反論(Dispute)

失敗ばかりではなく成功していることもあるのではないか?

今回のミスは自分だけのせいではないし、失敗は今後に生かせていけるのではないか?

効果的な新しい信念・考え方(Effective New Belief)

今回はたまたまミスをしてしまったが、『失敗は成功のもと』と言うし、今後は気を付けよう!

このように【適切な考え方】をすることで、

自分に嫌気がさして落ち込むこともなく、次は良い結果を出せるように頑張る

という新たに適切な感情・行動(C’)をとることができます。

このような新しい考え方によって、感情や行動を適切な方へ向かわせる流れを、

Dispute: 反論

Effective New Belief: 効果的な新しい信念・考え方

の頭文字を前記のABCとくっつけて、

ABCDE理論と言います。

ABCDE理論

それでは次項にて、ABCDE理論を使った、その他の例を見ていきましょう

≪実践例≫【間違った思い込み】を【適切な考え方】に変えよう!

様々な【間違った思い込み】を例にとって、反論や新しい信念・考え方を導き出してみましょう。

何通りも思いつくと思いますので、あなたも一緒に考えてみてください。

こちら↓の記事で紹介した【間違った思い込み】を例にしていきます。

① 白黒思考

「試験で90点をとった。100点を取らなければ意味がない。」

A(出来事)

試験で満点をとれなかった。

B(考え方)=【間違った思い込み】

満点以外は0点と同じで、何の意味もない。

C(感情・行動)

満点をとれなかったことに対して落胆し、自己嫌悪に陥る。

やる気を失う。

D(反論)

満点をとれる人は数少ないし、90点でもかなり良い成績ではないか?

そもそも問題の中に不適当問題やレベルの高過ぎる問題があったのかも知れない。

今100点をとる必要があるのか?

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

100点を狙っていただけに残念だけど、足りなかった10点は今の自分にとっての伸びしろだ。

平均点よりも高い点数をとれたし、分かりにくい問題もあったから、90点でもなかなか頑張れた方だな。

C’(感情・行動)

今回の結果にも満足し、次の試験に向けてさらにやる気を高める。

② 一般化のし過ぎ

「友人を食事に誘ったが断わられてしまった。また誘っても断られるに違いない…」

A(出来事)

誘いを断られた。

B(考え方)=【間違った思い込み】

今回と同じように、次も断られるに違いない。

C(感情・行動)

断られた寂しさや友人への嫌悪感。

嫌われているんじゃないかという不安感。

また同じような思いをしたくないから、もうこちらからは食事に誘わない。

D(反論)

次も必ず断られるという根拠は何かあるのか?

友人が断った理由としてどんなことが考えられるだろうか?
 その日はたまたまプライベートな用事が入っていた
 実は他人に内緒でダイエットをしている
 友人は気分が落ち込んでいて食事に行く気にもなれない

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

今回はたまたま都合が合わなかったんだろう。

もしかしたら、何か私に言えない理由があるのかも知れないな。

C’(感情・行動)

次に一緒に食事へ行ける機会まで楽しみに待とう!

食事には行けなかったけど、メールやLINEでお互いの近況を報告しよう。

③ レッテル貼り

「結婚できていない私は『負け組』だ。」

A(出来事)

結婚していない。

B(考え方)=【間違った思い込み】

結婚している人は『勝ち組』していない人は『負け組』。

C(感情・行動)

劣等感や挫折感を覚える。

D(反論)

単純に、これまで相性の良い人に出会えていないだけでは?

結婚する、しないを、勝ち、負けと呼ぶことに何の合理性もない。

そもそも、結婚しなくても幸せになれれば良いのでは?

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

今の時代、単身者が増えているから、じっくり相性の良い人を探せばいい。

結婚に勝ち負けはない。人生に勝敗というものはないんだ。

結婚=生涯幸せ、であるとは限らないから、自分にとって最善の道を歩もう。

C’(感情・行動)

心にゆとりができ、焦らず安心感を持ちながら相手探しを始める。

社会通念上の「結婚」というものに縛られず、自分にとって正直な幸せの形を追い求める。

④ すべき思考

「自分の体調が悪くても、家事はしっかり行うべきだ。」

A(出来事)

体調が悪いときの家事。

B(考え方)=【間違った思い込み】

どんなときでも家事はしっかりと行わなければならない。

C(感情・行動)

無理をしたせいで心身ともにつらくなり、後悔する。

D(反論)

家事をしないことで、どれだけ悪いことが自分の身に起こるのだろうか?

体調が悪いなかで頑張ることにどれだけの価値があるのか?

休んだ方のメリットの方が大きいのではないか?

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

別に家事を毎日しなきゃいけないわけじゃないから、体調の悪いとき位は休んでもOK。

体調の悪いときや忙しいときは、無理して家事をせずにゆっくり休んだ方が体にも心にも良いだろう。

C’(感情・行動)

心にゆとりを持ちながら、無理せずにゆっくりと休めたため、体調も早めに回復した。

体調が回復してから家事を行ったため、効率的にこなすことができて満足した。

⑤ 過小評価と拡大解釈

自分への過小評価

「職場で表彰された。でも、このくらい誰にでもできることだから大したことない。」

A(出来事)

表彰された。

B(考え方)=【間違った思い込み】

誰にでもできることで全然大したことじゃない。

C(感情・行動)

喜びも感動もなく、これまでと変わらないモチベーションで仕事をする。

D(反論)

本当に誰でも表彰されることなのか?

自分では大したことじゃないと思えるくらい簡単にできることでも、他の人にとっては難しいのかも知れない。

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

表彰される人はそんなに多いわけではないから、私の能力が認められたということだ。

C’(感情・行動)

とても嬉しく、光栄に思う。

今回の栄誉を誇りに、益々がんばっていこう!

他人への拡大解釈

「友人が出世した。これからも友人はキャリアを積んでいき、私との差が開いていくのだろう。」

A(出来事)

友人が出世した。

B(考え方)=【間違った思い込み】

私とは違い友人は優秀だから、これからも成功していくのだろう。

C(感情・行動)

劣等感や嫉妬心を感じ、努力することをあきらめる。

D(反論)

友人と比較することに、何の意味があるのだろうか?

友人と私との「差」をどうやって測るのか?

今後、私のキャリアが今のまま停滞しているわけではないだろう。

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

友人が出世できたんだから、自分だってできるはずだ!

別に競争しているわけじゃないから、自分のペースで進んでいければ良いだろう。

C’(感情・行動)

モチベーションが上がり、毎日をエネルギッシュに過ごす。

自分の成すべきことに集中し、どんどん業績が上がる。

⑥ 感情的決めつけ

「誰からも認められていないような疎外感がある。私なんて存在価値のない人間だ…」

A(出来事)

疎外感がある。

B(考え方)=【間違った思い込み】

私は存在価値がない。

C(感情・行動)

寂しさや孤独感が強まり、何事にも消極的な姿勢になる。

D(反論)

存在価値を決めるのは、そもそも私なのだろうか?

他人に聞いたわけでもないのに、認められていないと言い切れるのか?

これまでに他人に頼られたり、「ありがとう」と言われたことは一度もないか?

人のためでなくても、ペットを飼ったり、自然を守る活動をすることに価値を見出せないだろうか?

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

疎外感を覚えることがあったとしても、私が気づいていないだけで、何かの役に立っているはずだ!

どんな小さなことでも、それを喜んでくれる人はいるし、社会のために行動を起こすことだってできる!

C’(感情・行動)

自分の生きる意味を見出し、満足感や充足感に満たされる。

仕事はもちろん、様々なイベントやボランティア活動等にも積極的に参加するようになる。

⑦ 心のフィルター

「旅行中に一度ケンカをしてしまった。この旅行のすべてが台無しだ…」

A(出来事)

旅行中にケンカをした。

B(考え方)=【間違った思い込み】

旅行が台無しだ。

C(感情・行動)

ケンカをしたことに後悔し、怒りや悲しみもこみ上げる。

D(反論)

旅行中、何か良いことはなかったか?
 素晴らしい景色は見れたか?
 料理は美味しかったか?

旅行に行かなければ体感できなかったこともあるだろう。

ケンカをするということは、相手の価値観や考え方を知るチャンスでもあるから、今後の付き合い方のヒントを得られたのではないか?

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

ケンカをしてしまったのは残念だったけれど、旅行中では楽しいこともいっぱいあったし、普段味わえないような体験もできていたな。

今回の旅行では、これまで知らなかった相手の価値観を知ることができたな。

C’(感情・行動)

旅行を振り返って楽しい気持ちになる。

ケンカについても相手と冷静に話し合って解決し、より仲が深まり、次の旅行の計画を立て始める。

⑧ マイナス思考

「上司から褒められた。この位のことで褒められるなんて、元々全く期待されていなかったんだな。」

A(出来事)

上司から褒められた。

B(考え方)=【間違った思い込み】

これまで全く期待されていなかったために、この位のことで褒められたんだろう。

C(感情・行動)

落ち込み、意欲をなくす。

D(反論)

期待されていなかったという根拠は何か?

期待されていなかったのではなく、元々の期待以上のことができたのでないか?

褒められるということは、良い仕事ができたと上司に認められた証拠ではないか?

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

期待以上に良い仕事ができて、それを上司がしっかり見ていてくれたのだ。

C’(感情・行動)

良い仕事ができて嬉しいし、それを認めてくれた上司にも感謝。

これからも期待以上の働きをしていこう。

⑨ 個人化

「あの人の機嫌が悪いのは、私が何か気に障ることをしたからだ。」

A(出来事)

あの人の機嫌が悪い。

B(考え方)=【間違った思い込み】

私があの人にとって気に障ることをしてしまった。

C(感情・行動)

罪悪感や自責の念が強くなり、言いたいことも言えず、あの人との接触を避け続ける。

D(反論)

一体、私が何をしたのか?それは本当にあの人の気に障ることなのか?

そもそも、あの人の機嫌の悪さは、私が原因ではないかも知れない。

もしかしたら、プライベートでトラブルがあったのかも知れないし、体調が悪いのかも知れない。

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

あの人の機嫌の悪さの本当の原因は分からない。

C’(感情・行動)

あの人のことを気にせず、今まで通り自然にふるまえる。

⑩ 結論の飛躍

心の読み過ぎ

「LINEで既読スルーされてしまった。ひどいなぁ…私は嫌われているんだな…」

A(出来事)

相手が既読スルーをした。

B(考え方)=【間違った思い込み】

私は嫌われている。

C(感情・行動)

悲しい気持ちとともに怒りもこみ上げてきた。

D(反論)

既読スルーは、相手が私を嫌っている証拠になるのか?

今忙しいのかも知れないし、返信内容をじっくり考えているのかも知れない。

単純に返信を忘れているのかも知れないし、LINEで通信障害があったのかも知れない。

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

返信が来ない理由は分からないけれど、気長に待てばいいかな。

返信が来なければ、再度、確認のLINEをすれば良いだけの話だ。

C’(感情・行動)

返信が来なくても、気にすることなく心穏やかに待つ。

先読みの誤り

「家族関係がうまくいかない。これからはもっと関係が悪化して崩壊するに違いない。」

A(出来事)

家族関係がうまくいかない。

B(考え方)=【間違った思い込み】

これからさらに悪化するに違いない。

C(感情・行動)

悲しさと絶望で何も手が付けられない。

D(反論)

必ずしも悪化するとは限らないのではないか?

今のうちにできることは何かないか?

どのような家族関係が望ましいのかは、個人個人で違うのではないか?

そもそも、私意外の家族も、私と同じ考えを持っているのか?

E(新しい考え方)=【適切な考え方】

家族全員が私と同じように考えているわけではないだろうけれど、より良い家族関係にするためにできることは沢山あるだろう。

C’(感情・行動)

前向きに希望を持って、関係改善に向けて動き出す。
 家族関係修復のための書籍を読む。
 家族で話し合いの機会を設ける。
 家族関係専門のカウンセラーやコーチに相談しにいく。

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