心理的ストレスによる肩こりや腰痛には【漸進的筋弛緩法】【自律訓練法】

・ストレスを感じながら毎日を過ごしている

・肩こりや腰痛が治らない

このような方は、肩こりや腰痛の原因がストレスにあるかも知れません。

本記事を読むと

心理的ストレスで肩こりや腰痛になる理由が分かります

体をリラックスさせ、ストレスを緩和する方法が分かります

肩こりや腰痛の患者さんと話をしていると、多くの方が心理的に強いストレスを感じながら生活していることが分かります。そんな方々も症状を改善させていますので、その秘訣をご紹介していきます。

目次

心理的ストレスで肩こりや腰痛になる理由

結論から言いますと、心理的ストレスが肩こりや腰痛を起こすのは、自律神経の影響です。

自律神経を簡単に説明すると、意識しなくても勝手に体を調整してくれている神経です。

自律神経には、交感神経副交感神経があり、その2種類の神経がバランスを取ることで、健康な体を維持できます。

交感神経が優位になるのは、

運動や活動をしている時

ストレスを感じている時

副交感神経が優位になるのは、

心身が落ち着いている時

リラックスしている時

です。

また、交感神経には、筋肉を緊張させる働きもあります。

ですので、心理的ストレスを感じている時は、無意識に筋肉が緊張することになります。

その状態が長期間になってくると、筋肉のこりや痛みを引き起こしてしまうのです。

さらに、怒りや不安等のネガティブな感情は、痛みの感覚を増幅させてしまう働きもあります。

そして、その増幅した痛みをストレスに感じ、さらに筋肉を緊張させ、こりや痛みを強くしてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

肩こりは、仕事上のストレスや抑うつ感が高い人に多いことがわかっています。

腰痛も同じく、仕事中のストレスやうつ、病気への不安等がある人に多いことがわかっています。

筋肉が緩むとストレスも緩和する

筋肉が緊張している状態というのは、体も心もリラックスできていない状態ということです。

反対に、筋肉が緩んでいる状態というのは、体も心もリラックスできている状態ということです。

肩こりに関して、筋肉の緊張をほぐすことで、うつや不安等の心理状態が改善することが分かっています。

ただし、ヒトが自分の意志だけで自分の筋肉を緩めるのはかなり難しいことです。

なぜなら、ヒトには筋肉を積極的に緩めようとする機能が備わっていないからです。

そのため、心理的ストレスを毎日のように長期間感じていると、筋肉が緩むことなくずっと緊張し続け、慢性的な腰痛肩こりになってしまうでしょう。

筋肉の緊張をほぐせば、心理状態の改善がされる。しかし、自分の意志で筋肉を緩めることは難しい。

と書きましたが、科学的に実証されている筋肉の緩め方があります。

それを次で解説いたします。

【すぐできる】リラクセーション法

筋弛緩法(漸進的筋弛緩法)

意図的に筋肉に力を入れたあと、完全に脱力することで、その筋肉をリラックスさせる方法です。

効果

・筋肉の緊張がほぐれ、心もリラックスする

・血流の改善

・高血圧・不整脈の改善

・消化器系疾患の予防や回復を促す

・緊張型頭痛の改善

・頻尿の改善

・気分転換・イライラの解消

・不安レベルの低下

・集中力・作業効率の向上

・自己肯定感の増加

・パニック発作の改善

ポイント

・筋肉に力を入れる時間は5秒間(7割位の力で) ※1

・脱力させる時間は10秒間 ※2

・呼吸は止めずに行う

・一つ一つの筋肉をしっかり意識する

・全ての部位を行わず、筋肉の緊張が強い部位だけでもOK

・リラックスを感じられるまで、一つの部位を2~3回繰り返してもOK

※1力を入れる時間は目安であり、5秒~30秒間で疲れない範囲で行う。
※2脱力させる時間は目安であり、10秒~60秒間の範囲でリラックスを感じられるまで行う。

やり方

準備

・リラックスできる環境で、あお向けに寝るか、イスに座る

・腹式呼吸を5回ほど行い、呼吸を整える

①手

1. 手をグーにして握りこむ

2. 一気に力を抜いてリラックスする

②腕

1. 力こぶを作るように肘を曲げる

2. 一気に力を抜いてリラックスする

③肩

1. 肩をすぼめて耳までグッと近づける

2. 一気に力を抜いてリラックスする

④首

1. 下を向くようにグッと力を入れる

2. 一気に力を抜いてリラックスする

⑤顔-1

1. 目と口をギューッとつぶる

2. 一気に力を抜いてリラックスする

⑥顔-2

1. 目と口を大きく開ける

2. 一気に力を抜いてリラックスする

⑦背中

1. 肩甲骨と肩甲骨を寄せる

2. 一気に力を抜いてリラックスする

⑧お腹

1. お腹をキューっとへこませる

2. 一気に力を抜いてリラックスする

⑨お尻

1. お尻の穴をギューッと締める

2. 一気に力を抜いてリラックスする

⑩太もも

1. 膝をピーンと伸ばす

2. 一気に力を抜いてリラックスする

⑪ふくらはぎ

1. 足首をグーっと上に反らす

2. 一気に力を抜いてリラックスする

最終チェック

・全身がリラックスできているか確認する

・そのまま眠ってもOK

・この後活動するなら、肘や膝の曲げ伸ばしをしたり、腕を上げて伸びをしたりしてから立ち上がる

自律訓練法

自己暗示によってリラックス状態を作る方法です。

効果

・心身の疲労回復

・心身の苦痛を和らげる

・イライラの解消

・自己統制する力が身につき、衝動的な行動が少なくなる

・集中力・作業効率の向上

・寝つきが良くなる

ポイント

・『公式』と呼ばれる6つの方法がある

・第1公式と第2公式の2つでだけでも大部分の効果がある

・第3公式以降は副作用や持病によっては合わないこともあるので専門家の指導が必要

・最後に『消去運動(消去動作)』を行わないと、だるさやふらつきが出る恐れがある

・一回3分程度、朝昼夜の三回できると良い(しかし、無理せずできる範囲でOK)

やり方

準備(背景公式)

・リラックスできる環境で、あお向けに寝るか、イスに座ってゆったりとする

・腹式呼吸を5回ほど行い、呼吸を整える

・目を閉じて「気持ちが落ち着いている」と心の中で数回唱える

・十分に気持ちが落ち着いてから第1公式に入る

第1公式:四肢の重感訓練
「両方の手足が重たい」

利き手(右手とする)から始めます。

1.「右手が重たい」と心の中で唱えながら、実際に右手の重さを感じとる

2. 右手の重さを感じとれたら、「左手も重たい」と唱えながら、実際に感じとる

3. 同様に、「右足も重たい」と唱えながら感じとる

4. 同様に、「左足も重たい」と唱えながら感じとる

※慣れたら、「両手が重たい」→「両足が重たい」と左右同時に行っても構いません。
※初めのうちは上手くできないかも知れませんが、焦らなくて大丈夫です。そのまま第2公式に移りましょう。

第2公式:四肢の温感訓練
「両方の手足が温かい」

1.「右手が温かい」と心の中で唱えながら、実際に右手の温かさを感じとる

2. 右手の温かさを感じとれたら、「左手も温かい」と唱えながら、実際に感じとる

3. 同様に、「右足も温かい」と唱えながら感じとる

4. 同様に、「左足も温かい」と唱えながら感じとる

※慣れたら、「両手が温かい」→「両足が温かい」と左右同時に行っても構いません。

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セルフでは第2公式まで

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第3公式:心臓の調整訓練
「心臓が規則正しく脈打っている」

第4公式:呼吸の調整訓練
「自然に楽に呼吸している」

第5公式:腹部の温感訓練
「お腹が温かい」

第6公式:額部(おでこ)の涼感訓練
「おでこが涼しい」

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消去運動(消去動作)

・そのまま寝るなら消去運動なしでOK

・この後活動するなら、ゆっくりと体を起こし、手足の曲げ伸ばしをしたり、腕を上げて伸びをしたり、深呼吸を数回行ってから立ち上がる

自律訓練法の第1公式で、手足の重さを感じられるということは、筋肉が緩んでいることを感じていることでもあります。

また第2公式で、手足の温かさを感じられるということは、筋肉が緩んだことで、血流が改善したことを体感していることでもあります。

ストレッチにもストレス緩和の効果あり

ストレッチによって筋肉の緊張を緩めることができれば、不安や抑うつを改善させることも可能です。

これから私も、ストレッチとストレス緩和のデータ収集を始めるところです。

すでに、肩こり頭痛が改善することは実証されたので、気になる方はこちら↓を参考にしてください。

肩こり頭痛改善オンラインプログラム

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