・嬉しいときには笑顔になり
・怒っているときには眉間にしわを寄せる
このように、喜怒哀楽の感情は、顔の筋肉=表情筋によって表現されます。
【感情】→【顔の表情】という流れは、人間が生まれ持っている機能です。
しかし、この逆の流れもあることが数々の研究で実証されています。
つまり、
【顔の表情】→【感情】という流れです。
笑顔の表情を作っていれば、楽しさや嬉しさを感じ、
眉をしかめる表情でいれば、怒りを感じる傾向になります。
また、美容で使われるボツリヌス菌(ボトックス)を眉間に注射して、眉間を強制的に動かなくすると、脳の感情を司る部位のはたらきが弱まることも分かっています。
顔の“しわ”を取るために、ボトックスの注射をする方もいますが、やり過ぎると、顔の表情が自然ではなくなることがあります。
これは私の仮説ですが、顔の表情が不自然になったら、その人の感情に及ぼす影響もあるかも知れません。
ネガティブな感情への対処
つらいときや悲しいときは、顔の表情も落胆した色になってしまうのは仕方ないことです。
もちろん、落胆することは自然なことですが、それが長引いてしまうと、うつ症状が出てきてしまうこともあります。
そんなときは、少しでも口角を上げて、笑顔の表情を作るだけで、ネガティブな感情を緩和することができます。
ネガティブ感情を上手く受け流す方法やコントロールする方法もあるのですが、顔の表情を変えることはすぐにその場で行えることです。
落胆した表情を続ければ、その表情からさらに感情も落胆してしまい、ドンドン深みにはまってしまいます。
一時的ではありますが、感情の負のスパイラルから抜け出すための一つの手段としては有用でしょう。
さらに、笑顔でいる他人の表情を見るだけでも、それにつられて自分の表情も笑顔になりやすい特性もあります。
その特性を利用するために、テレビやネット動画で楽しいバラエティ番組を見たり、鏡の前で笑って自分の笑顔を見ることも、また一つの手段です。
※鏡の前で笑うときは、他の人がいないときの方が良いかも知れません(笑)
もし、これからつらいことや悲しいことがあったときには、ぜひ試してみてくださいね。
参考図書: 新版 身体心理学(川島書店)